01.災害への備え

日頃の防災の心がけ。車のガソリンは常に満タンにしましょう

日頃の防災の心がけ。車のガソリンは常に満タンにしましょう

東日本大震災後の新聞やニュースに、ガソリンスタンドへ並ぶ長い車列の写真がありました。被災地だけでなく、東日本の広い場所で同様の光景が見られましたので記憶にある方も多いことでしょう。

この車列の中で大変に残念なことがありました。とても悲しいことでした。以下へ当時の新聞を引用いたしますので、皆さまの日頃の心がけとなれば幸いです。日頃の「ちょっとしたこと」から命を守っていきましょう。

働く娘のため、夜通し給油待ちし…車内で死亡男性(2011年3月29日 朝日新聞)

震災から1週間たった18日午前、被害の少なかった内陸部の岩手県奥州市にあるガソリンスタンドのそばで、徹夜で開店を待っていた車の中から男性の遺体が発見された。幼い2人の子どもを育てながら働く娘に代わって愛車を動かし、給油のため1キロにわたる車列に並んでいたときに起きた悲劇だった。

遺体は、奥州市胆沢区の阿部勇夫さん(58)と確認された。勇夫さんは17日午後9時ごろ、「ガソリンを入れてくる」と言って、次女(29)のワンボックスカーに乗り、自宅を出た。

次女は、男の子(6)と女の子(2)を育てながら、家から自転車で15分くらいの職場に勤めていた。毎朝、2人の子どもを勇夫さんと妻の栄子さん(57)のいる実家に預けて出勤する。勇夫さんは、孫たちと一緒に過ごすことを楽しみにしていた一方で、娘の自転車通勤については「雨が降ったら、ぬれて風邪をひくかも知れない」と心配していた。

「娘の車を満タンにしてあげたいという親心からだったのではないでしょうか」と栄子さんは言う。

勇夫さんは車の中で一晩過ごす覚悟で、携帯カイロを下着の上からはり、暖をとるために園芸用ストーブを車内に持ち込んだ。翌18日。スタンドからすでに1キロ以上の車列ができ、勇夫さんは店まで800メートル手前にいた。

スタンドは午前10時に開店。しかし、車は動かない。「車の中で死んでいる人がいてなかなか進まないんだ」。一緒に並んでいた長男から電話が入ったのは午前11時ごろ。栄子さんは「お父さんかもしれないから確認して」と伝え、駆けつけた長男がブルーシートをめくると、勇夫さんだった。

エンジンを切り、運転席を倒して仰向けに寝ていた。後部席にあった園芸用ストーブは火が消えかけた状態で、消防署員が後部席の窓ガラスを割ると燃え上がったという。

外気は零下4度。ガソリンを節約しようとエンジンを切った車内でストーブを使い、一酸化炭素中毒になったとみられる。栄子さんは「ストーブをたいたのは夫の不注意ですが、自転車で通う娘がかわいそうと言っていたから必死だったと思う。危ないからやめて、といえなかったのが悔やまれます」。

栄子さんによると、次女は勇夫さんの葬儀で「私のためにごめんね」と泣き崩れたという。

東日本大震災後も続くガソリンスタンドの車列

2016年の熊本地震後も同様の車列が見られました。(本ページ上部の写真は熊本地震後のものを引用いたしました)夏は熱中症、冬は凍死の危険性のほか、狭い車内に長時間滞在することでエコノミークラス症候群にもなるリスクがあります。

「ガソリンが残り半分になったら満タン給油」を心掛けて、日頃から命を守る行動をしていきましょう。